07令和元年度補正事業計画名小麦の製粉機材を導入することで販路拡大と利益率の向上化を狙う事業の背景製粉業者と需要のアンマッチ当社の取引先事業者は中小規模が多く、食材の調達量は大手業者に比べると少量であるが、大量生産される加工品の一部で、調達量の少なさが仇となって逆に入手が難しくなる食材がある。例えば「小麦粉」。品質に加えて挽き方・挽き具合の混合率まで細かい仕様に拘る事業者も多く、挽いた直後から酸化が始まる為、必然的に “挽きたて”を求められる。しかし、グルテンフリーの米粉需要が増加した事で小麦の取り扱いを中止する製粉業者が増え、製粉量ロットは中小事業者には多すぎる設定になりつつあり、取引先事業者が良質な国産小麦の“挽きたて”品を探しても製粉ロットが合わず、当社に製粉を依頼するケースが発生していた。当社でも製粉を委託すべく業者を探したが、そもそも製粉業者が近隣に無く、遠方に加えトン単位での製粉しか委託できず採算が全く合わなかった。そこで、純国産としての品質保証、挽きたて品の小ロット供給ニーズを踏まえ、補助事業にて製粉設備を導入し、製粉作業の内製化を計画した。事業の成果�次産業化への第一歩となる製粉事業補助事業により精麦機・石臼・乾燥機など、製粉工程に必要な設備一式を導入し、細かい挽き方・挽き具合などのニーズに対応可能な製粉作業の完全内製化が完了した。当社の小麦は有機栽培のグルテンフリーな“古代小麦”であり、農薬使用のグルテンを含む小麦とは製粉工程のラインを分ける必要があったため、元々製粉業者へ委託するにはハードルが高かったが、製粉作業を内製化した事で当社初の加工品である「小麦粉」も販売が可能となった。「古代小麦の小麦粉」を販売する事で当社を知り、野菜の購入に繋がったケースもあり、大きな販促効果も認められる。また、無農薬かつ“かび毒検査”をクリアした小麦であれば、他農家産であっても製粉工程のみ受託する事も可能であり、事業領域の拡大に繋がった。有機栽培“古代小麦”製粉への壁小ロット製粉需要に対応する内製化計画株式会社 農園いち八
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