ものづくり補助事業 成果事例集
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29令和元年度補正事業計画名デジタル技術を用いたプロセス改善によるチタン入れ歯の品質向上事業の背景金属加工効率の改善による競争力強化近年、歯科治療で用いられる補綴物の金属素材(コバルト、パラジウム等)について価格高騰が著しい。コバルトクロムに至っては����年から�年間で約�.�倍にまで高騰しており、代替素材として生体親和性が高く、歯科治療とも相性の良い「チタン」が注目されている。当社において、チタン加工は➀歯科から提供された石膏模型を元してワックス原型を作成、➁鋳造方式で入れ歯へ加工、という生産プロセスを辿っているが、チタンは加熱する事で物性(強度)が低下し、長時間の加工・冷却時間(��時間程度)が必要となるなど、生産効率が良いとは言い切れない状況であった。鋳造生産によるチタン製クラウンが保険適用となり、今後「チタン」加工需要の更なる増加が見込まれる為、競合他社との差別化を図る為にも、高品質かつ効率の良いチタン製品の生産体制確立が喫緊の課題となっていた。事業の成果生産加工プロセス刷新による効率化生産効率向上の為、チタン加工プロセスを抜本的に見直し、物性が低下する鋳造ではなく、切削による生産加工への移行を計画。加えて、デジタル技術を用いる事で原型や完成品の高精度加工を内製化し、工期短縮と生産効率の向上を目標に、本補助事業においてNC加工機と高精度スキャナの導入を行った。従来は石膏模型を手作業で計測し、ワックス原型を作成して鋳造を行っていたが、高精度スキャナで石膏模型を読み込む事で自動的に加工データが作成可能となり、その加工データをNC加工機で読み込むだけで直ぐにでも物性低下が起きない切削加工を開始できる為、品質の向上に加えリードタイムの短縮に繋がり、生産効率が飛躍的に向上した。デジタル技術の適用による効率化設備導入による生産加工プロセス刷新有限会社 ベルグ

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