11平成��年度補正事業計画名製麹工程の刷新による高品質うすくち醤油の試作製造事業事業の背景淡口醤油の可能性と製麹工程の問題関西でよく使われている淡口(うすくち)醤油は、一般的に濃口醤油と比べて旨味が少ない・塩分が強いと言われている。実は少ない量でも効いて味を引き締め、素材の味を引き出せるように塩分が高めになっている為であり、「表に出たがる濃口、後ろに回りたがる淡口」と言われる事もある。当蔵では����年頃から淡口醤油の開発に着手。高品質な淡口醤油は競合が少なく、品質と使い方が合致すれば関西以外の地域でも受け入れられる可能性があった為、一般的なイメージを払拭した「塩分が抑えられ、旨味が強い、色は薄いまま」の家庭でも気軽に使えるような淡口醤油を目標とした。数年がかりで麹作りに試行錯誤を重ね、淡口専用の製造工程を構築し、色は淡いままで旨味の強い淡口醤油が完成した。しかし、最も重要な麹作りにおいて、創業当時からの麹室では温度管理が安定しにくく、完成品の品質は設備的な限界による妥協点であった為、補助事業で設備を刷新し理想的な麹作りが可能となる環境構築を行い、完成品の高品質化を計画した。事業の成果麹室刷新による理想的な麹作り 旨味の強い美味しい淡口醤油を仕込む為には、徹底的に着色を抑制・予防する必要がある。その為に最も重要なのは「淡口用の」麹作りを行う点である。 麹菌の発酵ムラを無くし発酵の進捗管理を行う為に徹底的な温度管理が必要であった為、補助事業においては温度制御システム付きのコンパクトな製麹設備(麴室)を�基導入。 従来の広い麹棚で一気に製麹を進めると場所によって温度ムラは発酵ムラが発生するが、コンパクトな室に小分けする事で発酵塊の拡散がスムーズに行えるようになり、スペースが狭くなることで温度ムラ・発酵ムラが解消。また、製麹工程における作業効率も格段に向上した。 理想的な麹作りの環境が整い、醸造後の醤油品質の向上も実現させることが出来た。伝統的な木桶仕込みで醸すこだわりの醤油製麹工程の刷新による高品質化計画片上醤油
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