27また、生産者の高齢化や跡継ぎ問題などにより、年々イチゴ農家が減少していることから、いかに年間を通じて安定継続した経営をしていけるかが常に課題となっている。当農園はその解決策の一つとして、年間を通じて「古都華」や「あすかルビー」を楽しんでもらえる新商品の開発、そして新鮮なイチゴを供給してほしいという取引先からの要望に応えるべく、収穫したての鮮度を保ったままの冷凍イチゴが市場に流通できる体制の確立を目指した。そこで新たにプロトン凍結機を導入。均等磁束・電磁波・冷風をハイブリッドした急速凍結技術により、イチゴの細胞破壊を防ぎ、従来の冷凍イチゴに比べて、加工した際にイチゴらしい甘さが更に引き立つようになった。また、急速凍結により、従来の作業時間を大幅に短縮。あわせてプロトン凍結をすることで、冷凍に向かない規格のイチゴも長期保存が可能になり、ロスを大幅に低減。ワンストップで添加物を使用しない、消費者に安心・安全な冷凍イチゴを提供することが可能となった。事業の背景事業の成果〈事業計画名〉 イチゴの保鮮流通技術を確立するための最新プロトン凍結機の導入供給の平準化・品質の保証・販路の開拓を狙うイチゴは出荷時期が限られており、繁盛期(冬〜春)と閑散期(夏〜秋)の差が激しい。近年はハウス栽培での室温調整により、閑散期でも国産のイチゴが市場に出回るようになってきたが、栽培に関わるコストと時間などから、資本力のある大手業者でしか対応できないのが現状である。自社で完結する冷凍イチゴ流通ラインの完成従来の保冷技術では解凍するとドリップが出てイチゴの実自体が水浸しになり、凍結したものは硬くて噛んで食べることができないなどから商品価値が損なわれていた。令和元年度補正年間を通じて新鮮な冷凍イチゴの供給を実現進化した急速凍結技術の導入中井農園 株式会社
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