当社は明治43年の創業以来110年以上、良質な吉野檜を原料に、伝統工芸品の神具「三宝」を主軸とした、各種木工製品の製造販売を手掛けている。 「三宝」は吉野郡下市町が発祥の地と言われ、国内シェアの8〜9割を占める一大産地であり、この地において当社は宮内庁や神宮御用達品として国内製造数の約3割を担っている。 原料である吉野檜は、木目が端正で色艶が良く光沢があり、吉野檜を用いた「三宝」は他の地域の檜と比べても色合いの美しさが際立ち、神饌を供える器にふさわしい品格があると言われている。 新加工機により多角形の挽曲げが可能となった事で、新製品のトング「TONGI」や、マルチボックス「八宝」など、伝統の三宝制作技術を雑貨に転用した製品が完成。 「八宝」はデザイン性の高さと利便性が評価され、地域の原石を発掘するプロジェクト「にっぽんの宝物2020-21」の奈良県大会で審査員特別賞、全国大会の工芸・雑貨部門においてグランプリを受賞し、2023年夏予定の世界大会への参加権を獲得する事が出来た。また、「八宝」にインスピレーションを得た企業の声掛けで、職人合作のコラボ商品企画が立案され、茶道具一式8点を納める茶箱「八宝茶箱」に八宝箱担当として参加するなど、「八宝」を軸とした活動が活発化している。 近年では展示会やイベント、SNSなどメディア活動にも積極的に参加し、三宝を用いたライティングオブジェへの協力など、「神具」「伝統工芸品」という枠だけにとらわれず、伝統的技術の継承を命題としながら、新たなスタイルを提案する「新具」として技術を進化させた製品の展開を目指す。三宝・寝具・木工品各種製造販売 三宝の製造過程において「挽曲げ」と呼ばれる技術がある。 檜の一枚板に溝を挽いて折り目とし、木のしなりを活かして角 を作る技術であるが、天候・気温・湿度・木の水分量などに影 響され、溝の深さや幅の微細な調整が必要となる。0.5 mmの違 いで曲がらなかったり割れたりする為、15 年以上経験がある 熟練職人の勘と技が光る、最も重要かつ高難度の工程である。 「挽曲げ」は「下市の三宝制作技術」として日本遺産に認定 されており、今後も継承すべき伝統的技術である。info@yoshitani-sanbou.com吉谷木工所の概要・技術伝統工芸品「三宝」と伝統的技術「挽曲げ」吉谷木工所の製品開発と今後の展望代表者名代表 吉谷 良浩所在地奈良県吉野郡下市町新住41-10連絡先TEL:0747-52-2447/FAX:0747-52-1478ホームページhttps://yoshitani-sanbou.com/E-MAIL48「神具」から「新具」へ吉谷木工所業種分類木材・木製品製造業事業内容
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