金属プレス加工においては、油膜によって金型と製品材との摩擦を低減させ、加工工程における傷・割れ・焼き付きなどを防ぐ「加工油」が品質維持の為に必要不可欠なものである。出荷時には油分の完全除去を求められるため、当社では有機溶剤系洗浄機を使用して脱脂処理を行っていた。 しかし、有機溶剤系洗浄機では複雑な形状や微細な絞り製品においては完全に脱脂する事が難しく、洗浄時間や回数を増やす必要があり、工程のボトルネックとなっていた。 また、産学官連携で開発を進めている医療機器・レーザー関連機器分野の高付加価値製品やグリーン調達をしている企業の製品においては、人体や環境への影響が大きい有機溶剤系洗浄液の使用が認められておらず、世界的にも規制強化の動きがある。開発中の高付加価値製品については手洗いで対応するなど、作業効率が非常に悪く量産体制の構築が難しい為、洗浄工程の刷新が急務となっていた。 本事業では、有機溶剤系洗浄機を廃し、新たに炭化水素系洗浄機へ入れ替え導入を行った。 有機溶剤系洗浄液は洗浄液の劣化・洗浄品質の低下が早い為、経験を積んだ専任の担当者が常駐して監視しながら、手作業で洗浄する製品を投入・取り出しする必要があったが、炭化水素系洗浄液は洗浄器内で蒸留再生する事で洗浄品質を保つことができ、監視も不要となり、製品は自動で投入・取り出しが可能となった。その為、洗浄工程の大幅な効率化・人員配置の見直しが実現し、メンテナンスなどのランニングコストを半減する事が出来た。 また、有機溶剤系洗浄液では参入が難しかった分野への本格的な進出が可能となり、新たな市場開拓に繋がった。事業の背景洗浄工程のボトルネックと世界的規制事業の成果作業効率の飛躍的向上と新分野開拓41〈事業計画名〉 医療・レーザー関連市場における微細加工技術開発と量産体制の構築平成28年度補正世界的に規制がかかる有機溶剤系からの脱却作業効率向上と新分野への足掛かりダイワ精密プレス 株式会社
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