ものづくり補助事業 成果事例集
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 近年、歯科業界においては技術革新が大幅に進んでおり、歯科技工物の製作プロセスも大きく変化している。 歯科技工物を製作する際、患者の「歯型」が必須情報だが、従来は歯科医がアルジネートやシリコンを使って患者から型を採り、石膏模型を製作して歯の大きさや形、歯並びのモデルを作る、という工程が必要だった。 しかし、最近では「光学印象(歯型採り)」、つまり患者の口の中を専用スキャナーで読み取る事で、PC上で口内や歯並びをモデリングし、模型を作ることなく歯科技工物の設計や製作・加工まで可能になっている。 患者の負担も軽く、模型輸送や模型作り等のリードタイムも大幅に短縮され、近年のコロナ禍で懸念される感染症への接触機会を減らした「非対面式」プロセスの需要は全国で拡大している。加えて、CAD/CAM冠や純チタン製などの保険範囲の拡大、高審美性のジルコニア等、より高度な設備や加工技術の需要も高まると考えられた為、当社は同業他社に先駆けて受注体制を強化する事を計画し、本事業を実施した。 本事業においては歯科技工物製作システム一式を更新し、より高精度かつ高効率での加工・製作が可能な環境を構築。 これにより、データ化による作業者の非対面化、取扱い金属素材の拡大、加工時の精度向上、製作リードタイムの短縮と修正工程の削減が実現した。 特にデータ化による非対面化はビジネスモデル転換に繋がり、営業範囲を奈良県内から全国へ拡大させる事が可能となった。 さらに、取扱い金属素材の拡大(チタンの取扱可能)、製作リードタイム短縮(最大3割減)により、最大受注数の拡大にも繋がり、キャパシティを約1.5~2倍拡大する事が出来た事は非常に大きい成果である。事業の背景デジタル化による技術革新事業の成果ビジネスモデル転換で営業範囲拡大33〈事業計画名〉 新規CAD/CAMシステム導入による、歯科技工物製作の非対面化と高精度・高効率化令和元年度補正デジタル化・技術革新による需要の変化対応力強化でビジネスモデル転換へ株式会社スカイテックスラボラトリー/3Dミリングセンター

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