ものづくり補助事業 成果事例集
22/55

 当社が扱う原木(丸太)は、主に原木市場に出荷されており、競り売りを経て製材業者や加工業者で建材や木工製品に加工し製品化されているが、最終製品になるまで複数の業者を介する為、最終商品の価格が高額になってしまう。 最近では建築資材や国産材の需要・価格は上がってきているものの、原木価格は逆に下がっており、トレーサビリティが確立していない流通工程の不透明さも相まって最終価格の根拠に疑問を覚える状況が続いている。 原木売却での収益が上がらなければ植林・造林もできず、山林所有者の経営意欲の低下・管理放棄・山林管理者(林業)の経営破綻を招き、極論ではあるが土砂崩れ等の災害防止や環境保全にも影響が出かねない。 その為、当社では「林業の6次産業化」を計画。加工・販売等の流通過程における不透明感を払拭し、「身近な林業」「顔の見える林業」をテーマに、木が伐り出されるリアルな森林現場と、木製品の使い手の方々との距離がもっと縮まる事を目指し、本事業に取り組んだ。 本事業においては移動式製材機と周辺機器を導入。自社で管理する山林内の立木からニーズに合う木を選定し、市場基準とは異なる自由なオーダーメイドサイズで採材。原木搬出後にすぐ製材する事を可能にした。 原木搬出後即製材という流れは奈良県内発の取組みになる。 製材後は乾燥工程が必要な為、納品まで1年程度時間は空いてしまうが、原木市場への出荷に比べ、大きな付加価値を付与出来、新たな販路開拓への手応えを得る事が出来た。 また、自分たちが伐った木を製材し、最終的には製品にまで仕上げ、消費者まで直接届ける、という生産プロセスを構築できたことで流通経路を簡略化でき、木材のトレーサビリティも確保。認証材にふさわしい製品を提供する事が可能となった。事業の背景林業の「6次産業化」を目指して事業の成果県内初の即製材プロセス21〈事業計画名〉 150万本の木から選べる!! 山でのオーダーメイド木材加工サービス!令和元年度補正原木価格の低迷に対する1つの解決策林業の6次産業化で新たな販路開拓豊永林業 株式会社

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る