当事業所で行っている「注染(ちゅうせん)」は、基本的に型紙作成から染色・乾燥・納品まで5日程度が必要で、中でも乾燥工程・ロール工程がボトルネックとなっていた。乾燥工程は基本的に自然乾燥となるため、天候・気温に影響されやすく、1日程度を要する。また、長い布を高所から吊るして干すという作業であり、常に危険を伴う作業だった。ロール工程は乾燥した布のシワ取り工程で、横シワは解消できるが縦シワに対応できない状態だった。近年では、短納期を要望される顧客が多いため、設備導入で各工程を改善し、より短納期・高品質な生産体制の構築を目指した。本事業においてシーツローラー乾燥機(アイロナー)を導入したところ、丸1日掛かっていた乾燥時間を15分に短縮できた事に加え、乾燥機を利用する事でシワが伸び、ロール工程が不要になったため、通常の生産効率が1.5倍に向上。また、乾燥工程の高所作業も無くなった為、従業員の安全も確保できるようになった。特に時間短縮という点では想定以上の成果があり、偶発的ではあったが、ある製品の納品後に型紙データの誤りが判明し、型紙の再作成から染色・乾燥・裁断・再納品までを当日中に実行できたため、全国的にも珍しい超短納期にも対応が可能となったと言える。事業の背景短納期とシワ改善の顧客要望が増大事業の成果全国的にも少ない、乾燥機による超短納期化31〈事業計画名〉 乾燥機の導入による、「注染」の短納期・品質向上への取り組み事業平成27年度補正アイロナーの導入で大幅な効率化が実現顧客ニーズを満たす品質・短納期化が可能に澤染工場
元のページ ../index.html#32