「コスト」の海外調達から「品質」の国内生産へ-事業の背景-国内生産回帰の流れ-事業の成果-薄肉化でコストダウンし、世界最軽量顧客ニーズを実現させる技術力の真価 要求される「品質」に対しては当社の既存技術・設備に加え、外観検査を自動化することにより対応し、「コスト」「供給能力」の要求値に対しては金型・成形加工技術の高度化、生産システムのハイサイクル化で対応する。成形材料によるコストダウンは要求性能や規格の問題があり限度があったため、成形品の「薄肉化」を軸に、金型の新規開発に取り組んだ。 成果として、20%以上の薄肉化、材料30%削減が実現し、世界最軽量(2015年時点)のシャーレが完成。スプルランナーレス化し、超ハイサイクル成形を行う事で従来の50%強のリードタイム削減が実現し、全行程を総合すると従来技術の約25%のコストダウンが実現する生産システムの構築が完了した。 創薬・再生医療などの分野において使用される周辺機器・器材は、衛生的観点から使い捨て可能な素材への移行が進んでおり、組織/細胞/微生物培養などに用いる「プラスチック製滅菌シャーレ」もその1つであるが、コスト競争等から海外調達が主流となっていた。 しかし、市場規模の拡大や用途の高度化により、「異物等の混入撲滅」「より安価」「使い勝手の良さ」といった品質やニーズ対応力が求められるようになり、国内生産回帰の動きが大手医療器材商社を中心に広まっていた。 当社に対しても国内生産について打診があったが、長年の光学部品・自動車機構部品等の高精密金型開発・成形加工技術で培った技術力や量産成形事業といった基盤事業を活かすことで、新たな事業領域の可能性が見込まれたため、要求されている「国内生産だからこその高品質」「海外生産に匹敵する低コスト」「各種ニーズへの即応性」「安定した大量生産」を実現するべく、本事業による超低コスト高品質生産システムの開発に着手した。事業計画名医療器材の国内生産回帰を実現する超低コスト高品質生産システムの開発平成26年度補正株式会社 エフ・エー・テック7
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