ものづくり補助事業成果事例集
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新型機導入による技術力向上で-事業の背景-火力発電プラント用部品の試験開発依頼-事業の成果-新型機・IoT技術で生産効率改善事業領域の水平展開・多角化を加速 量産用金型設計にあたり、素材の特性から金型の一部の素材をより耐熱・耐久性に優れた素材に置き換える必要があったが、2種類の鋼材を用いる特殊加工に加え、年間12~16種類の金型開発というハイペース開発が要求されており、当社の既存設備では能力不足であった。 本事業において「5軸制御門型マシニングセンタ」を導入する事で、2種類の鋼材を使用する特殊形状金型の加工が可能となり、手作業工程の自動化、複数工程を1工程に圧縮、といったリードタイムの短縮が実現し、要求される開発ペースを満たす目途が立った。合わせてIoT・AI技術でマシニングセンタ同士をネットワーク化し連携。クラウドを通じて監視・診断することで、さらなる作業効率の改善を達成でき、新分野へ進出するに足る成果を得る事ができた。 当社の既存マーケットである自動車部品用金型製造業界は、近年海外生産との競争が激化する一方で、国内における同業他社は中小零細規模が多く、年々淘汰されつつあった。当社も危機的状況に陥ったが何とか立て直し、自動車部品業界のみではなく他分野への進出と、金型製造事業に加え、試作開発事業や最終製品製造などの工程に注力する事で、事業の多角化を模索・推進していた。 そんな折、試作品開発の受託実績があった顧客より、火力発電プラント用排気管部品の「試験研究用試作開発」依頼があり、これを受託。全56回の仕様・設計変更に対応しながら試作開発を繰り返し、顧客における試験研究に貢献したことで、顧客が必要とする鋼材の開発・必要な部品の設計が完了した。 その後、実用化にあたって当該部品の量産用金型の開発要請を受け、当社にとって新たな領域となる「環境エネルギー分野」での金型製造という主力事業の水平展開を狙い、本事業に着手した。事業計画名次世代火力発電プラントのための量産金型の試作開発平成28年度補正株式会社 宮本金型製作所47

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