中小企業団体中央会について

組合について

組合事務マニュアル

第1章 組合運営と組合法
  1 運営に必要な事務処理と法規

ヘ.会計処理

 組合の経理も簿記会計の一般原則に従い正確な会計帳簿を作成しなければなりません。会計処理にあたっては、できるだけ事業別の区分経理により誤りや過失等を未然に防止する手主が必要となります。組合は、毎事業年度における会計経理の最終の段階として、剰余金を算出し、剰余金が発生している場合には、この剰余金を処分しなければならないことになっています(法第40条第1項)。さらに剰余金の処分には、準備金の積立て及び繰越金による内部留保(教育情報事業→法定繰越金の項参照)と出資配当及び利用(又は従事)分量配当による外部流出とがあります。


(1)法定準備金

1.積立ての意義及び強制
 組合は、共同経営体として取引の主体となる関係上、その財政的基礎の安定を図ることはきわめて必要なことであるので、法においては、共同経営体としての組合の健全な発展と、組合員及び債権者の利益を保護するために、不測の損失に備えて、毎事業年度の剰余金の1部の積立てを強制ています。これを法定凖備金といいます。この準備金の積立の基礎となる毎事業年度の剰余金とは、毎事業年度末決算において総益金から総損金を控除した金額となります。したがって、たとえ剰余金が少額であっても、必ず積み立てることを要し、これを違反したときは、組合の理事及び監事は1万円以下の過料に処せられます(法第115条(13))法定準備金を積み立てるということは、現金、預金、有価証券その他特定の財産の形で別途に留保することではなく、貸借対照表の貸方(負債及び資本の部)に資本に関する勘定として法定準備金勘定を設けて、ここに表示することが必要です。
2.積立ての方法
 法定準備金の積立率は、必ず定款で定められなければならず(法第33条第1項(10))、その率は毎事業年度の剰余金の10分の1以上でなければなりません。この場合、各事業年度ごとに剰余金処分案中に確定した積立率が示され、通常総会の承認を経て決定されることになります。
 法定準備金の積立総額は、必ず定款で定められなければならない(法第58条第1項、法第33条第1項(10))が、その額は、組合にあっては出資総額の2分の1以上に相当する額までである(法第58条第2項)。法定準備金の積立累計額が定款に定める額に達するまでは積立が必要であって、出資総額が増加したときや法定準備金を取りくずしたときも再び積み立てなければなりません。
3.法定準備金の取りくずし
 法定準備金は、損失をてん補する場合以外には取りくずすことができません(法第58条第3項)。
 ここにいう取くずしとは、貸借対照表の貸方(負債及び資本の部)に表示されている法定準備金勘定を減額すると同時に、借方(資産の部)に表示されている損失を、同額だけ減少させることになります。

 

(2)法定繰越金

 教育情報事業(法第9条の2第1項(4)、法第9条の9第1項(6))を行う組合は、毎事業年度の剰余金の20分の1以上を翌事業年度に繰り越さなければならず(法第58条第4項)、この繰越金の使途は、教育情報事業の経費に限られ、法定準備金と同様、法において強制するものとなります。

 

(3)剰余金の配当

 剰余金の配当は、法第58条の規定に基づく法定凖備金及び法定繰越金を控除し、次に損失をてん補して、なお残額があったときにのみ認められています。組合の定款において、剰余金の内部留保と任意積立金を積み立てる旨を規定しているときは、当然この任意積立金も控除されることとなります。組合が法第59条に違反して剰余金を配当したときは、組合の理事及び監事は20万円以下の過料に処せられます(法第115条(13))。この配当には、利用分量配当と出資配当とがあり、これ以外の配当方法は認められておりません。なお、利用分量配当と出資配当との順位については、組合の基本原則(法第5条第1項(4))からすれば、利用分量配当が優先される。なお、配当すべき剰余金の出資充当に関する規定で、組合がこれに関する規定を定款に定めたときは、組合員が出資の払込みを終わるまで、組合員に配当する剰余金を、出資の払込みに充当することができることとなっております(法第60条)。